神沼審査委員長の講評

予選審査会において審査委員長の神沼先生から講評を頂きました。

 
 

予選審査で感じたこと

 

課題部門について

  • 2年目のテーマということで、問題の捉えどころはかなり良くなったと感じました。
  • 一方で、「何をしたいのか」は述べているが、「如何に工夫をしたのか」が分かり難いものが少なくないのは残念です。たとえば、
      • 思いつきレベル、お話のレベルに止まっているケース
      • 何故それが必要で、如何に解決するのかを読み取り難いケース
      • どこまで取り組むのかという目標が見えないケース

    などが、気になりました。

 

自由部門について

  • データ処理に関する説明において、聞き手に分かるような工夫が欲しいと感じたものがありました。その多くは、説明があいまいでした。
  • 「今、何が」問題であるかという視点で分析ができているか否かで、評価結果に差がついたように思います。たとえば、
      • 情報技術を活用することによって、どのような問題が発生しているのか?
      • 問題解決の方法は妥当か? 目標は達成できるのか?
      • 技術的な視点からの設計ができているか?

    などに関係してきます。

  • タイトルは作品の心を表すものであってほしいと思います。たとえば、
      • タイトルを見ただけで作品のイメージを連想できる
      • タイトルに触れたときに、どんな内容だろうかと興味を抱かせる

    こんな工夫が欲しいと感じました。

 

競技部門について

  • 「手の内を明かしたくない?」でしょうから、コメントは控えます。

 

全体として

  • 総じて、創造性が乏しいと感じました。
      • 同じような発想がいくつかのチームから出てくるのは何故だろうか? 既存のアプリを使ってできることを考える傾向が強いのではないか?
      • お話しレベルではないかと言われないために、「現実フィールドにおいて、問題状況をどう分析したのか? それをどう解決するつもりなのか?」について、自分たちの想いが読み手に伝わるようにまとめる工夫が欲しいと感じました。
      • 審査員はいろいろな場面で、いろいろな切り口で、創造性の有無を読み取ろうとしています。
  • その作品を世に出すことによって社会にどのようなインパクトを与えるのか、どのような問題を引き起こすのか、社会にどのような変化が生じるのかなどについて、メリットのみではなく、デメリットについても考えてほしいと思いました。