予選審査委員会において、神沼審査委員長から講評を頂きました。
各チームに通知される審査講評と合わせて、それぞれの作品作成に反映させてください。
審査委員長講評
全部門を通して感じたこと、それは応募部門で取り上げるテーマに関して社会的な背景をどのように調査・分析したのかによって、作成資料のわかりやすさのレベルが変わるということです。思いつきでの投稿か、問題意識を持って検討したのかの違いを表しているようにも感じられました。また、タイトルに凝りすぎたあまり、意図を読み取り難くしているものが散見されました。作品をイメージできるような工夫が欲しいと思いました。
課題部門の「防災・減災対策と復興支援」は1年目のテーマでしたが、全体的にレベルが高かったと感じました。東日本大震災以来、多くの情報が蓄積されていることもあり、扱いやすい話題であったと思われます。一方で、急速に普及し始めた情報技術とスマホ等のツールを容易に活用できる環境になってきたことが、システムデザインの甘さや説明不足を招いたように感じられました。また、「誰のためのシステムか、何のためのシステムか、どのような状況で活用できるのか、何処まで完成するのか」などの記述が曖昧であると思われる資料も目立ちました。システムの目的と目標に関しては聴衆(審査委員など)にわかるように述べることが必須です。
自由部門では、大変興味深い提案がいくつかあり、アイデアがどう実現されるのかが楽しみです。その一方で具体的な展開がなされていない資料もかなりありました。たとえば「アンドロイドの機能を使う」と述べるに止まっているなど、説明不足が目立ちました。取り上げたテーマをどのように具体化するのかについて、技術的に丁寧に説明して欲しかったと思います。完成度についても、もう一歩踏み込んで説明をすれば、評価結果が1ランク上がったのではないかと感じました。
本審査では、素晴らしい作品に会えることを期待しています。
平成26年6月28日
神沼 靖子