テーマ 「オンラインで生み出す新しい楽しみ」
少し前までは,「オンライン」と聞くと「オンラインコンピュータゲーム」を連想していましたが,はた して今はどうでしょうか.
新型感染症の流行によって,この2,3年で私たちの生活が大きく変わりました。学校や職場では,遠隔授業やリモートワークが行われ,娯楽やイベントもオンラインでの実施が今では珍しくありません。今年から新型コロナウィルスの対策が緩和されましたが,オンライン化は人との接触を減らすだけでなく,オンラインだからこそのメリットを活かすことも出来ます。例えば,疫病退散を願う祭りや花火大会なども,開催が難しく中止に追い込まれている中,自宅にいながら祭りを楽しもうとオンラインで祭りに参加したり,観覧することができるようになっています。各地の有名なお祭りが,オンライン祭りやオンライン花火大会として開催されました (*1,*2,*3)。これまで参加できなかったイベントへ,オンラインだからこそ気軽に参加できるようになり,人々の楽しみが増えました。スポーツ系でも,専用アプリをスマートフォンにインストールして,ライブで実況を聴きながら,違う場所にいる人々がリアルタイムでランニングなどを通じてつながることが出来るライブラン(*4)など,新しい取り組みがなされています。
一方,コンサートなど参加者を一箇所に集めて実施するイベントは,オンラインライブ配信のような形で実施されています。さらに,いわゆる“投げ銭”のような機能を使うことで,配信者やクリエイターが収益を上げる仕組みもできています。これにより,イベントへの参加者だけでなく,配信者やクリエイターも楽しみが増えました。
第34回全国高専プログラミングコンテスト・課題部門では,これまでにない“新しい楽しみ”にスポットを当て,ICTを活用してその“楽しみ”を“オンライン”で提供してくれる作品の登場を期待しています。新たな楽しい“生活”,楽しい“価値”や楽しい“イベント”など“新しい楽しみ”をどのように捉え,“オンライン”だからこそできる仕掛けを組み込み,“新しい楽しみ”を生み出すためのシステムをどのように構築するか,高専生の柔軟な発想を期待します。
*1 「前橋七夕まつり」,https://maebashi-tanabata.jp/
*2 「オンラインさっぽろ夏まつり」,https://sapporo-online-fes.com/
*3 「りんくうスマイルプロジェクト」,https://rinkusmile-p.com/
*4 「ライブラン」,https://www.liverunapp.com/